© 1998 Masayasu AOTANI
「道無き道を行く」
−自分の世界−
数学の話は退屈でしょう。それより今日は、どうしたら自分の様な人間になってしまうかという、もっとこわい話をします。
武道では、まず基本の型を習い、習熟するにつれて自分なりの境地を開拓してゆきます。基本だけなら、誰でもできますが、その先が非常に大変だそうです。基本が身につき過ぎていわゆるマンネリに陥るのを防ぐ有効な手段に、一点突破主義が有ります。すなわち、簡単な動作を、まずそれだけ違ったやり方でやってみるのです。ちゃんとした道がそこに有るのに、敢えて「道無き道」を選ぶのです。
人生が武道の修行なら、小・中・高等学校の教育が基本の型の習熟、大学はその応用です。自分流に基本の型をくずし、自己の型を作り出してゆく時期なのです。ここでのキーワードは「自分」です。教科書を離れ、独自の道を歩まねばなりません。ここに一点突破主義を取り入れられてはというのが自分の提案です。何か一つ簡単な事で、今までの自分ならしそうもない事を、在学中にやってみるのです。難しく考える必要はさらさら有りません。例えば中年になってからスケートボードを再開したある無名数学者(筆者)は、その奇異なるホビーのおかげでマスコミにも取り上げられ、キャンパスでも、「ああ、君があの教官か」と声をかけて頂き、総長、国際交流委員長など様々な人々を知る事が出来ました。スケボーが変えた人生。どうです。簡単でしょう。
人間全て怠け癖が有り、やり慣れた事を繰り返しがちです。しかし一回生の時にサークルで知り合ったわずか数人の気の合った仲間達とさらに小さなサブサークルを作り、ごく平凡にワイワイやっている内に、気がついたらもう卒業などというのは、余りにも小人的で空しいではありませんか。「道無き道」は「道無き未知」でも有ります。そこに無限の可能性が秘められているのです。定石は安全ですが、面白味も有りません。怖いけれどもおもしろい。皆さん、若い時こそ「道無き道」を。普通はやらない事を、是非やりましょう。それでは、風邪に気を付けてがんばってください。ご健闘をお祈りしています。
すけぼーのヤス
(京都大学留学生センター助教授 青谷正妥)
<プロフィール>
一応数学者。
1954年大阪生まれ。京大理卒、同院中退。米国在住20年。カリフォルニア大学バークレー校数学博士。趣味は下手なスケボー。好きな色は青。AB型。酒もたばこも大苦手。
色々な学生さんを知りたいので、
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