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日本の国際化 <> 言語能力と異文化理解

京都大学留学生センター助教授 青谷正妥(あおたにまさやす)

若い人達にしかこの日本を国際化する事は出来ません。以下は、文は堅いですが、この中年の金髪・スケボー教官から中学・高校生への、期待と声援のメッセージです。

今回と次回では、まず国際化の4要素「言語運用能力」「異文化理解」「社会システムの改革」「国際社会への参加・貢献」について、日本の現状、自分の提案、皆さんへのお願いやお誘い等を交えながら説明し、最終回には留学や海外研修についてお話しします。

「言語運用能力」が大切なのは、言語が思考・思想を支配する為で、これ無しでは文化が理解できないからです。従って理想的には多言語の習得が望ましいけれど、現実的にはやはり英語力でしょう。言い古された事ですが、読み・書き・聞き・話す能力の無い人間も外国語教員として雇っている日本の現状は、即時改善されるべきです。又、大学では、シェークスピアを90分で5行読むという様な、典型的な非実用英語教育は止め、それぞれの専門分野で役立つ英語力の養成への、即時切り換えが望まれます。講義も幾つかは英語で提供し、専門の講演や議論くらいは英語で出来る様にすべきです。学会等でも、日本人は用意した原稿を読むだけで後は黙り込み、主催者側を困らせます。実験的に行われている小学校での英語教育も非常に頼もしいですが、実験で終わらせず、むしろこれを一つの突破口として、若年英語教育と実用英語教育を更に推進めたいものです。その為には、中高生の皆さんに英語に興味を持ち、運用力のつく英語教育を学校に要求して頂きたいのです。

次が「異文化理解」。これも一つの流行語ですが、言語の習得も又その直接の目的である意思疎通も文化の理解なくしては困難です。国際化は国際適応でもあり、適応対象をまず良く理解する事が大切です。日本では、日常生活の中で自然に異文化に触れる機会は少なく、皆さんの積極的な努力が必要です。アメリカの様に、小学校から異文化理解クラスを設置するのも確かに一案です。しかし、より効果があるのは、イベントを外国人を中心として行ったり、日本文化を紹介したりする事を通じて、能動的な学習の機会を設ける事です。ここで言うイベントや日本文化は、必ずしも大きなフェスティバルやお茶・お花の事ではありません。例えば誕生パーティーも立派なイベント、ゲームセンターに誘うのも立派な日本文化の紹介です。肩肘を張らない交流をして、始めて人間やその文化の本質も明らかになるのではありませんか。更に京都の様な大学町では、大学の留学生センターや国際交流センターが地域の住民の教育に積極的に取り組む事が望まれます。留学生達に日本の文化を体験・理解してもらう為には、地域の人々の理解と協力はどうしても必要です。留学生や海外からの研究者達と地域住民との交流を通じ、大学と市民の間に共生関係が生じれば願っても無い事なのですが。皆さんもたまには京大の留学生センターを見に来られては?