(注:これを書いた時点でのぼくのTOEFLスコアは297点でした。その後12/17/2002に再受験し、満点の300点を取りました。)
TOEFL勉強法
非英語圏の人間が英語圏に留学する時に、必ず受けなければならないのが語学試験ですね。英語ではアメリカ英語系のTOEFLがおそらく一番有名で、イギリス英語系のIELTS(International English Language Testing System)も定番かと思います。で、どんな試験でもそうですが、良い点をとるためには基礎力の養成に加えて「傾向と対策」は欠かせません。ぼく自身はペーパーのTOEFLを二度、CAT(Computer Adaptive Testing)のTOEFLを一度、計三度TOEFLを受験していますが、IELTSは受けたことが無いので、ここでは話をTOEFLに限らせていただきます。なお、ぼくの知る限りではTOEFLかIELTSのどちらかで良い学校がほとんどで、TOEFL又はIELTSのみしか受けつけない学校はそんなに多くはないようです。
日本人が受けるTOEFLはCATが主流になっていますし、それが今後の流れだと思いますので以下ではCAT対策を中心に説明しますが、基本はcomputerでもpaperでも変わりません。ところで、CAI(CIA=Central Intelligence Agencyではありません!)がComputer Aided Instruction又はComputer Assisted Instruction(コンピューターによる教育支援)ですので、ぼくのようにCATもComputer Assisted Test(ing)だと思われる方が多いようですが、上に書いたようにこれはComputer
Adaptive Testの略です。何がadaptive(適応性)かと言いますと、問題の難易度です。一つ一つの問題に予め定められた難易度があり、一つの問題に正解すれば次はより難しい問題が、不正解であればより易しい問題が出るしくみになっています。このようにして受験者が5割程度の確率で正解できる難易度を見つけ、それに基づいてその人の点を決定するのです。ただし、読解のセクションはadaptiveではなく、全員が同じ文を読み同じ設問に答えます。講釈はこれくらいにしましょう。本題に入る前にあきられては困りますのでね〜。
TOEFLにはListening(リスニング=聴解)、Structure(構文・文法)、Reading(読解)、Writing(小論文)の四つのセクションがあり、論文のセクション以外は多肢選択等の選択式です。自分が正しいと思う答えを選択肢から選んでクリックしたり、文中の単語をクリックしたりして答えます。最初にcomputerの使い方なども含めたTutorial(チュートリアル)が30分ほどあり、本番は約4時間です。ただし、チュートリアルは自分のペースで出来ますし、受験者によって問題数が違ううえ、ETS(Educational Testing Service:ニュージャージー州プリンストンにある、TOEFLを始めとする各種標準テストの制作・実施機関)の研究のためのpretest questions(実際に試験に使用する前の試し問題)が随所にランダムに埋め込まれているために、テスト時間には個人差があります。ぼくの場合には4時間半くらいかかったと記憶しています。
全容はだいたいこんな感じです。
l Listening=聴解(問題数:30問から50問 制限時間:40分から60分)
(ア) Part A:11から17の短い会話の後に一つの質問
(イ) Part B(Part Aよりずっと長いのですが、メモは取れません。)
@ 2,3の長めの会話の後に2,3の質問
A 4から6くらいの短い講義や討論の後に3から6くらいの質問
l Structure=構文・文法(問題数:20問から25問 制限時間:15分から20分)
(ア) 短文の空欄を埋めて完成させる。
(イ) 短文中の幾つかの下線部より、誤りを見つける。
これら二種類の問題がランダムに出てきます。
l Reading=読解(問題数:44問から55問 制限時間:70分から90分)
250語から350語くらいの長さの文章が4つか5つ出され、一つの文章につき11の質問に答えます。
l Writing=小論文
トピックが与えられ、それについて30分で小論文を書きます。
次にスコアの算出方法ですが、WritingのスコアをStructureに入れて、Listening、Structure、Readingの各セクションを30点満点とし、その合計点数に10をかけて3で割ります。これをやりますと0点から満点の300点の間で点数が出ます。「なぜこんなややこしいやり方をするんだろう」と思うでしょう?ぼくも思います。よって理由はETSに直接お尋ね下さい。ただ、点数の範囲が0点から300点になっているのには理由があります。従来のペーパー版のTOEFLが310点から677点の間で採点されていたために、それとの重なりをなくし、スコアを見ただけでどちらのバージョンのテストを受けたのか分かるようにするというのが、新しいスコアの範囲導入の目的なのです。尚、WritingのスコアはStructureに組み込まれると言いましたが、スコアの半分以上がWritingでぼくが受けた試験では構文・文法が13点、小論文が17点でした。
手持ちの資料によると、留学に必要なスコアはおよそ以下の通りです。(カッコ内はペーパー版の点数)
二年制大学 133点から173点(450点から500点)
四年制大学 173点から213点(500点から550点)
大学院 213点から250点(550点から600点)
尚、ペーパー版とコンピューター版のスコアの換算表(concordance table)は
http://www.toefl.org/educator/edcncrd4.html
に出ています。
さて、勉強法ですが、四技能という分類法でいくと、読む・聴く・書く・話す力のうち、「話」以外はすべて必要ということになります。もちろんこの本の主題は「四技能を総合的に高めることなくして、英語力の向上なし」であり、話すことと聞くことは共にフィードバックループを完結させるために必要な裏表です。ですから、「話」以外の力が必要という考え方そのものがおかしい訳ですが、特にTOEFL対策という意味で便宜上切り離して考えるならば話す力の訓練はいらない、とまあそのようにご理解ください。ここではあくまでも、英語の総合力向上のためのより幅広い努力がバックグラウンドにちゃんとあるという仮定のもとに、話を進めています。
まず、全体的な傾向のお話をします。Test of English as a Foreign Languageを訳すと外国語としての英語試験という非常に一般的な名前になりますが、もともとTOEFLは留学希望者のために開発されたものなので、内容は大学生が直面するような生活上の問題や大学の講義に出てくるようなものが中心です。学生生活に関する話題としては、学生証の取得、講義の登録、中間試験や期末試験、カフェテリアでの食事、放課後の映画鑑賞、クラブ活動、から果ては洗濯まで、ありとあらゆるものがありますし、講義内容についても自然科学、歴史、人物など様々な分野から出題されます。下は京大の卒業生が送ってくれた内容の詳細です。
Listening(聴解)
Part A
ドーミトリー:門限などの規則、ルームメイト、仕事分担
講義:宿題、レポート(英語ではessayとかpaperとか言います。)、テスト(中間試験=midterm examination、期末試験=final examination)、グループプロジェクト、勉強一般
学生生活:クラブやサークル、アルバイト(part-time job)、カフェテリア(cafeteria=学生食堂)、奨学金(scholarship)
講義:登録(registration)、取り消し(cancel、drop、withdrawal)、変更(change、switch)、質問の時間(office hours)
長期休暇(一週間程度の物も含みます。日本にはそういうのはあまり有りませんが。):旅行、インターンシップ(internship)、アルバイト
進路:就職活動(job search)、大学院(graduate school)、相談(job counseling)
Part B
自然科学(Natural Science)一般
歴史(History)
伝記(Biography)
社会科学一般(Social Science)
Structure(文法・構文)
補充問題‐文中の空所に入る適当な言葉を選ぶものです。時制の一致、前置詞、不定詞などが出てきます。
正誤問題‐4,5箇所の下線部の中から誤ったものを見つけます。主語と動詞の一致、名詞と代名詞の一致、接続詞などが出ます。
Reading(読解)
自然科学(動植物学、医学、環境科学など)、歴史(アメリカ史など)、人物(政治家、作家など)、社会科学(経済学、文化論など)
Writing(小論文:課題作文)
与えられた課題(topic)についての小論文です。課題は非常に具体的に「〜について賛成か反対か、その論拠は」(Do you agree or disagree with the following statement?等)というタイプのものと「生きていくうえで一番大切な技能はなんでしょう」(What is the most important skill a person should possess in order to succeed in life?)というもっと一般的なものや、「20世紀の歴史上の意味は?」(What is the historical significance of the 20th Century?)といったやや抽象的なものまで、様々です。(注:ここに挙げた三つの例は、自分自身の経験や学生さんからの情報に基づいて、ぼくが作ったものです。実際に出題されたものではありません。しかし、だいたいいつもこんな感じですよ。下のトピックのリンクを見ていただけば分かりますが。)
ところで、ETSそのものが公式サイトで作文のトピック(writing topics)を多数公開していて、“Topics in the following list may appear in your actual test.”(次のリストに載っているトピックが実際のテストに出るかも知れません。)と含蓄の深い言い方をしています。ここです。
ftp://ftp.ets.org/pub/toefl/989563wt.pdf
ちなみに、ぼくが受けた時のトピックは “The twentieth century saw great change. In your opinion, what is one change that should be remembered about the twentieth century? Use specific reasons and details to explain your choice.”(20世紀には大きな変化が起こりました。その20世紀に起こった変化の中で、一つ記憶に留めておくべきものがあるとしたら、あなたは何を選びますか。)で、これは確かに上のリストに載っています。でなければ、記憶力が限りなくゼロに近づいている花の中年48歳のぼくが、全文をここに紹介できるわけがありません。ところで、ぼくは手元に2000年から2001年版のInformation bulletin for Computer-Based Testing – Asia EditionというETS発行の公式ガイドを持っていまして、その中のwriting topicsの一つが「あ〜ら不思議」(でもないかな?)今回2002年の秋にぼくが受けたTOEFLのwriting topicだったのです。一つ一つのトピックの寿命って、案外長いのかも知れませんね。その公式ガイドに載っているトピックの数は155で、上記のウェブサイトに出ているトピックの数は185、一つ一つのトピックを比較していないのでこれが30トピックの純増なのかどうかは分かりませんが、writing topicsの数という意味でもTOEFLはきっと進化し続けているんでしょうね。更に詳細や内情はもちろん分かりませんが、おそらくETSは膨大な数のwriting topicsを持っていて、そのほんの一部を公開しているだけなのでしょう。でもたまたまその中からの出題になることもあるので、“may appear in your actual test”と歯切れの悪い表現をしているのではないでしょうか。いずれにせよ、一見以上の価値のあるリストであり、テスト勉強のための強い味方になることは間違いありません。受験生必見ですね、これは。
余談になりますが、writing topicsだけでなく、全体的なTOEFLの進化についてご報告しておきましょう。公式サイトhttp://www.toefl.org/によると、次世代のTOEFLが開発中とのことで、2003年にスピーキングテストが導入され、2004年にはTOEFL CBT2なるものが公開される予定だそうです。やっと慣れた頃にまた変わるなんて、やっと顔と名前を覚えた頃にまたメンバーチェンジのモー娘も顔負けですなぁ。英語ではこういう時に、“When I thought I had it all figured out, they changed the rule of
the game.”(やり方が分かったと思ったとたん、ゲームのルールを変えやがった。)などと言います。
さて、傾向の検証が終わったところで対策ですが、TOEFL全体にあてはまるのは、語彙と表現の学習です。たとえば単語一つをとっても、受験単語だけでは不十分です。絶対数が不足気味であるうえ、TOEFLの頻出単語と日本の大学受験頻出単語は微妙に違うからです。TOEFL用の単語集や表現集が出ていますので、一冊仕上げるくらいの心意気でがんばってください。アメリカに20年住んでも、向こうで育たなかったぼくが、一番痛切に感じるのが自分の単語や慣用表現の知識の貧弱さです。とにかく完璧な耳で音を全部聞き取っても、その単語や表現を知らなかったら音→言葉の変換は不可能なのですから。
さあ、こんどはセクションごとの対策を見て行きましょう。TOEFL用の問題集をこなすのは基本中の基本ですので、以下では特に必要がない限りこれには触れていません。
Listening(聴解)
CBT(Computer-Based Testing)では、場面設定のための写真が提示されますが、これに気を取られ過ぎないようにしてください。出題傾向や内容は基本的に同じでも、もともとのペーパー版のTOEFLには写真も絵も無かったのであり、CBTでもほとんどの場合写真や絵は無くても十分理解できる題材です。
Part A
短いやりとりがほとんどで、設問は一つのみです。普通の聴解力があれば、高い正答率が得られるはずですが、アメリカの大学の制度や学生生活一般に通じていると内容の理解が更に容易になります。そのためにぼくがお勧めすることが二つあります。
一つは市販のTOEFL問題集を出来るだけ多くやり、会話のスクリプトを見ながら分からない単語や事がらを拾い上げてゆくことです。たとえば日本では、一旦履修登録を済ませたら取り消す事はできないのが普通ですから、drop(履修登録を取り消すこと。お試し期間である学期の始めの二ヶ月間ほどの間であれば、学生主導で登録の取り消しができます。これについては、何らの記録も残りません。)とかwithdrawal(Dropの期限が過ぎても、まだwithdrawするオプションがあります。日本語でどう訳せばよいのかわからないのですが、withdrawalは成績表にWと記され、跡形が残ります。それが大学院に行く時に影響したりするのです。)と言われてもピンとこない人も多いでしょう。つまり、単純なコンセプトがよく分からないために、会話が分かりにくくなる恐れがあります。また、日本では先生が質問や相談の時間(office hours)を設けていることはまれですので、そんな話題にはついて行けないかも知れません。練習問題を数多くこなしますと、こういう例が色々出てきますから、「は?」と思うたびにそれが何か調べあげましょう。ぼくの指導した学生さんの中にも、これだけで飛躍的な点の伸び(40点とか)を示した例がありました。とても大事なことですので、是非やってください。
二つ目は日本語の本でもよい(なぜなら、ここでは手っ取り早い点取り対策が目的だからです。)ので留学関係の本、特にアルバイト・インターンシップ・就職活動・レクリエーションなどのキャンパス外での活動も含めてアメリカの大学生の生活一般について説明した本を読むことです。短い会話ばかりですから、単語一つ概念一つに引っかかっている内に全体が終わってしまったというような悲劇的事態だけは避けたいですね。
Part B
長めの会話や短い講義のセクションです。困ったことにメモを取らせてくれないので、すべて記憶にたよって答えることになります。実は、ぼくのCAT版TOEFLのリスニングセクションの点数は30点中29点で満点ではなかったのですが、現在のぼくのレベルでTOEFLの問題が聴き取れないことはほぼ考えられないのです。別に負け惜しみではありませんが、内容が記憶しきれなかったのが原因だったのかも知れません。いずれにせよ、練習問題をこなす際に内容を覚えておく(retention)訓練もやってください。
ただし、よほど覚えるのが苦手でないかぎり、必要以上に神経質になる必要はありません。長めの会話や講義の良いところは、内容やロジックがフォローできれば、全体が分かりやすいということで、内容の理解でリスニングの弱点の埋め合わせができるということです。自然科学と歴史の出題が多いのですが、決してその分野の知識を問うものではなく、あくまでもリスニングと内容理解のテストです。会話は状況の把握がキー、講義はロジックや説明の内容の理解がキーです。難解な用語がでてきても講義の中で説明されますので、自然科学や歴史の専門用語を覚える必要はまったくありません。
音源もあればもっと良いのですが、ふだんから英語で書かれた教科書を読みなれていると、講義の流れについて行きやすいと思います。大学生の皆さんは最近多くの大学で提供されている英語講義(内容は歴史とか生物とか普通の講義ですが、講師が英語で教えるものです。)を大いに活用しましょう。
なお、あまりにも聴解力が低いと、一文一文の理解も非常に不完全なうえ、そちらに全エネルギーが集中するため、内容がまるで覚えられないことがあります。これは記憶力の問題ではなく聴解力の問題ですので、まずPart Aの短い会話で聴き取り訓練を十分に行ってからPart Bにアタックしてみてください。個人的感触ですが、このセクションに出て来る会話や講義の内容を覚えるためのみに特殊な訓練が必要な人は少ないと思います。これまでぼくが接した生徒さんたちの中には、そういう人はいませんでした。全文の丸覚えではなく、あくまでも多肢選択の設問に答えられるレベルまでの内容の記憶ですから。
Structure(文法・構文)
補充問題・正誤問題ともに、大学受験用の文法・構文の知識があれば十分に解けます。一般的に言ってこれらの問題は、日本人にとっては爆笑問題ならぬ楽勝問題です。準備のためにはもっぱら練習問題を数多くこなしてください。出る問題のパターンが限られているので、多数の問題を解くだけで出題傾向が自然につかめます。
特に正誤問題については、この手の問題に慣れていない人も多いので、「不慣れ」が理由で戸惑う人も見うけられます。「わあっ、全部正しく見えてしまうよ〜」というのはこういう人たちです。そんな人でも、正解を見ると「なあ〜んだぁ」となるので、これは明らかに知識の問題ではありませんね。しっかりと練習を積んで、間違いの性質や種類にあらかじめ慣れておきましょう。
Reading(読解)
どうでもよいことですが、このセクションはadaptiveではなく、受験者全員が同じ文を読み同じ設問に答えます。
内容はやや高度(と言ってもせいぜい大学の講義レベル)ですが、難解なことがらはすべて文の中で説明されています。したがって上記の聴解のPart Bと同様、専門知識を必要とするものではありません。時間制限はあるが内容を問う設問もあるので、速読と精読がともに求められるという離れ業のようなことになっています。もっとも「速読」と言っても、英語でrapid readingとかspeed readingとかaccelerated readingとか言っているあれではありません。平均的なアメリカ人は一分間に170単語ほど読むと聞いていますが、rapid readingはその4倍や5倍のスピードを目指すものだそうで、もちろんぼくもそんなに速く読むことはできません。ここでは「速読してください」=「普通の日本人のスピードで読んでいては到底だめですよ」と理解してください。TOEFLはしょせんは外国人用の英語試験ですので、ふつうにスラスラと読み進めばかなり時間があまるようにできています。例題をやると分かりますし、実際に試験を受けたぼくの感触としてもそうですが、音読程度のスピードで黙読しても、設問に十分な時間を割くことができるでしょう。「速読」=「遅読ではない」あるいは「速読」=「熟読はしない」程度の理解でけっこうです。情報収集が目的で日本語の新聞を読む時(斜め読みではありません。)のように、全体を一通り流してその意味を速く確実にとる力が非常に大切です。言い換えれば、「熟読しないと意味が分からない」のでは困るということです。
設問には、「この文の中におけるこの単語の意味は次のどの単語といっしょですか」と一文だけ読めば答えられてしまう物、「この文のなかのtheyは何を指しますか」と数文からせいぜい一節だけ読めば答えられる物、そして「この人はどういう風にしてこのやり方を広めようとしているのでしょう」と文章全体の、あるいは少なくとも数節の、理解が無いと答えられない物に分かれます。全体をつかんでいないと答えられない設問は意外と少ないので。以下のようなアプローチをお勧めします。
1. さらっと全体を速読(この意味は上で微に入り細を穿って説明済みです。)して大意をつかむ。
2. 設問を順々に見て、「一文だけ見て答えられる物」や「ワンパラグラフを読んで答えられる物」や「全体像の把握が必要な物」の内、すぐに答えられる物に答える。
3. 「文章全体の理解」にかかわる問題で、上のステップ2で答えられなかった物を読み直し、問題を念頭に置きながら全体を再読し、解答を試みる。
4. ステップ2及び3で答えられなかった問題に答える。(注:間違っても零点になるだけで、ペナルティーはありません。とにかく答えてください。)
ところで、個人的にはぼくのやり方ではないのですが、ステップ1の前に
0. 設問を全部チェックする。
を入れる人もいるようです。これはステップ1のすぐ後、つまり設問に順々に答える前、に入れても良いかと思います。時間配分を考える一助となるでしょう。ただし、くり返しになりますがある程度の速さで読む力が付いていれば、設問に答える時間は十二分にあります。これがぼくが必ずしもステップ0にこだわらない理由です。
アメリカ人の場合でもそうですが、遅読の最大の原因はもとにもどって読み返すことだそうです。パラグラフの中ですでに読み終わったはずの文にもどるのも、もちろんいけないのですが、日本人の場合には一つの文の中で行ったり来たりしますね。あれは本当にいけません。文章全体の流れはもちろん、一文のなかの流れすら完全に断ち切られてしまいますのでねぇ〜。一つの文を頭からその順序で理解する力と、文章全体を後もどりせずに読み切る力をぜひつけてください。これらは、総合的英語力の大切な要素でもありますので。
ふだんから英語を読んでいることが非常に大切です。特に教科書などアメリカの大学生が直面するような英文の多読で、そういうスタイルに慣れておく必要があります。そこで学生さんに苦言を一つ。英文の教科書が指定されているのに、訳本を買うなどと言う愚行・愚考はもってのほかです。
Writing(小論文:課題作文)
日本語の小論文を想像していただくとすぐに分かると思いますが、ネイティブスピーカーにとっても、30分でしかも他人に与えられた見たばかりのトピックについてまとまった文を書くのは大変です。日本人にとってこのセクションが一番難しいというのは、英語教育の専門家の一致した意見のようです。しかもStructureのセクションの半分以上(ぼくの受けた試験では30点中の17点)が作文なのです。準備を怠ると致命傷になりかねませんよ。
既出ですがftp://ftp.ets.org/pub/toefl/989563wt.pdfにトピックの例が200近く出ています。これは2002年9月現在の数字ですので、皆さんがこれを読まれる頃には、もっともっと増えているかも知れません。これらのトピックについて実際に作文をされるのが、一番効果的かつ効率的な準備法だと思います。
その際以下を高得点のための指針としてください。
l 明確な意見を最初に書く。
l 具体的な根拠や実例を挙げる。
l 根拠や例は二つ、せいぜい三つ。
l 起・承・結でまとめる。
採点者はアメリカ人ですので、意見をはっきりと述べていないと評価されません。これは本当にばからしいことで、言う前に予め深くおわびしたいと思いますが、点の取れるessayにするためには、どちらでも良いと思っても無理にでも態度をはっきりと決めて書いてください。ディベートというゲームがありますが、ちょっとあんな感じです。まあアメリカ人は基本的に「パーフォーマンス、やってなんぼ」の人種なので仕方がないのです。留学のプレ体験とでも割り切ってください。それから老婆心ながら、TOEFLの公式サイトでessayという言葉がしょっちゅう出てくるのですが、これを日本語の「エッセー」と勘違いして「つれづれなるままに」随筆風に書くのはやめてください。あくまでも小論文です。
書き易さのためにも、アメリカ人の採点者にアピールするためにも、具体的な根拠や実例を挙げてください。ただし、30分でまとめねばならないので、せいぜい二つか三つ出すだけにしましょう。漢詩の伝統を受け継ぐ日本では、起承転結というのがお決まりですが、TOEFLの小論文は起承結でまとめます。しかも文を「起こす」ところで、すでに「結」を簡潔に述べてください。それを「承」けて根拠や実例を出し、最後にもう一度「結」論をのべます。「結」の部分は最初に述べた結論のくり返しでも良いし、それを更に少し展開させても構いません。「と言う訳でこういう結論になるのです」の後に「よって、こういうことにも注意をはらいましょう」などと付け足すオプションを念頭に置いておくということですね。なお、文頭とまったく同じ結論のくり返しになる場合には、必ず言葉や言い回しを変えるという裏技を使ってください。
文の構成とは関係なく、練習の際の一般的留意事項としては、
l 30分の制限時間を守る。
l 一つ書くごとに添削してもらう。
l 多様なトピックを選ぶ。
などがあります。
最後に、採点は公平を期すため二人の採点官によってなされ、0から6までのスケールで行われることを付け加えておきます。