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京大生限定の英語学習グループ
事も有ろうに、僕も含め皆が疲れ切っている金曜の5限(16時30分から18時まで)に英語の学習をやります。ここしか空いている時間が無かったからです。
前期はポケゼミ等もあり、一回生も来ますが、それ以外は有志です。通年でやりますが、もちろんぼくの都合で休みになる事もあるでしょう。51歳のぼくには、金曜の夜でもデートとか言うのは有りませんが、出張などはどうしようも有りません。
指導原理は語彙習得と測定の研究で世界的に有名なPaul Nation先生などが唱えておられる “The Four Strands” にぼくが勝手にInteractive Language Useをつけ足した “The Four Strands Plus One” です。さらに、日本人英語学習者のfinal frontier(直訳は「最後の辺境」ですが、最後まで到達できない場所や達成できない事という意味です)であるlisteningに非常に興味が有り、大人のlistening力の向上を目指します。ぼく自身がそうですが、リスニングは本当に難しいです。しっかりとした学習計画も無く、漫然と学んでいても到底無理でしょう。実はこれまでそういう非効率的な学習を続けて来た事実を、ぼく自身が非常に強く後悔・反省しています。
以下は“The Four Strands Plus One”を“俺流”に少し改変し、日本人向けに説明した物です。
The Four Strands (three
meaning-focused strands and one form-focused strand)
英語学習を四つの側面から見る物で、Meaningful Input, Meaning-Focused Output, Form-Focused Learning, Fluency Developmentの四つの柱からなっています。
Meaningful Inputとは、意味がほぼ分かるレベルの英語の聴解や読解訓練で英語に慣れると共に、語法や表現など知らなかった英語も学ぶものです。単語でいうとinputの最低95%、理想的には98%を既に知っている必要があります。裏を返せば、内容の難しさにせよスピードの問題にせよ、意味が分からないほど難しいinputは修得に寄与しないと言う事です。Natural speed信仰が誤りである事はこの点からも明らかで、例えばCNNのニュースを一日中バックグラウンドで掛けていても、BGM替わりならともかく、英語の修得の足しにはほとんどなりません。普通の日本人は内容が全く聞き取れないからです。読解についても、すらすらと読めないものはmeaningful inputの材料としては不向きです。
Meaning-Focused Outputとは、意味を伝える事を目的として書いたり話したりする事によって、英語に慣れると共に、自分の英語の弱点にも気付こうとするものです。何かを描写するとか、リクエストするとか、自分の意見を述べるとか、具体的な目的を達するためにするoutput活動です。例えばCDの内容を一文ずつオウム返しにして行くようなcontextから切り離されたoutput訓練はmeaningful outputとは言えません。自分で言いたい内容を頭の中で組み立て、それを何とか知っている範囲の英語で表わす努力をするのが、meaningful outputの真髄です。当然ながら最初から英語でoutputをして行きます。かつて一世を風靡したaudio-lingual methodは機械的な反復が中心でしたので、これはその対極をなすものです。
Focus-On-Formとは、語彙や慣用表現や文法や発音など言葉の形式的側面に特化した学習を意識的に行うもので、ネイティブの赤ん坊が自然に吸収する言語の形式をexplicit/declarative knowledgeとして身に付ける事です。英語の壁の登攀道具をそろえる活動ですね。Meaningful outputの役目を果たさない上述のaudio-lingual methodもformを学ぶには有効ですし、ネイティブの英語は一連の言葉の塊(chunks)をつなげたものだと言われていますので、塊を色々知っている事は非常に大切です。昔ながらのgrammar-translation method(訳読法)が大いに貢献するのはこの形の学びですので、多くの日本人がform-focused learningだけはかなりのレベルでこなしていると言えるでしょう。
Fluency Developmentはすでに知識としては身についているものを、すらすらと使える様にするための訓練で、読・書・聴・話の四技能全てに横断的に当てはまります。Explicit/declarative knowledgeをimplicit/procedural knowledgeに変換する作業や、既にあるimplicit/procedural knowledgeの高度化が目的です。平たく言うと使い込む事によるスラスラ感の養成ですね。日本人の英語はfluencyやprocedural knowledgeが極端に弱いですから、fluency developmentは特に真剣にとらえねばならない側面です。僕の英語の先生は、“It’s a matter of how much you feel at home with and in English”(英語について、また英語使用に関してどれだけ場慣れしているか、それが問題だ)と表現されていました。
これらFour Strandsに僕はあえてもう一つの側面を加えています。それはInteractive Language Useです。
Interactive Language Useは、言葉通りなら手紙やemailのやりとりも含みますが、ここでは会話の事です。と言うのも、手紙やemailはinputとoutputのphaseが交互に現れるだけであって基本的にはinputとoutputの単純な組み合わせであるのに対して、会話ではinputの処理とoutputの前処理や実行が常に同時進行(parallel processing)であり、システムへの負担がまるで違うからです。また、分からない時に聞き返したり説明を求めたりできるのも、会話だけです。例えばlisteningのみについて見ても、interactive listening、つまり会話時のlisteningはラジオを聴くのとは定性的に異なる事が確認されています。このスキルは上記のFour Strandsが出来た上に始めて成り立つより難度の高いスキルなのですが、もちろん実際の勉強では、The Four StrandsとInteractive Language Useの訓練を並行させます。ホモ・ロクエンス(homo loquens=ことばを持った動物=人間)がことばを持った最大の理由は他とのcommunicationなのですから、interactive useを軽視するわけにはいきませんね。
ところで、
なぜ「京大生限定」の英語学習グループかと言うと、
1. 京大の構内で京大の部屋でやるからです。(注:部屋を使う際の細かいルールを決めたのはぼくではありません。いずれにせよ、よそから態々来る人が長続きした試しがありません。)
2. 京大生の英語のレベル、長所、弱点がぼくにはきれいに分かるからです。(30年以上前に京大に入学したぼくの長所や弱点とあまり変わらないという驚愕の事実が有ります。)
3. 京大生のための英語運用能力養成トレーニングを考えているからです。
4. 必然的に試行錯誤が入るでしょうから、身内の方が気が楽だからです。
それから、
なぜ英語学習「グループ」かと言うと、一回生のポケゼミの人以外には単位の出る講義ではないからです。
最後に、
これも他の学習法と同じく即効性は全く有りません。即効性があるかのように見えるのは、全く何もやっていなかった人だけで、それも最初の内だけです。ちょっと勉強するだけで数学や物理が分かるはずも無いとしっかりと認識している人が、どうして英語はすぐ出来ると思うのでしょうか。もちろん出来ませんし、クラスに来るだけで自分で勉強しない人はもっと出来ません。魔法の様な即効性のある学習法を期待している人が長続きした試しが有りませんので、最初に釘を刺させて下さい。
そうそう、
TOEICの高得点など全く目指していません。京大生がどうしてあんなレベルの低い試験を目指すのでしょうか。だいたい作文すら入っていないのですよ。会話だけに限らず、論文や学会での討論・質疑応答等も含め、教養あるネイティブスピーカーと不自由なくcommunicateする力を目指すべきです。よってそれを目指します。Communicateと言うと、英会話と思う人が多いようですが、違います。本を読んで理解するのも、書くのも、考える(言葉を噛みしめながら自分と脳内でcommunicateする場合)のも全てこれです。四技能全部を総動員しなければなりません。
(注:通過駅としてTOEICの高得点を目指すのには、もちろん何の問題も有りません。どうせ目指すならもっと難しいTOEFLも良いと思いますが、両者共に出来たところでステップゼロに過ぎません。英語検定も同じ事です。英検一級やTOEICやTOEFLで高得点を取る力は、英語力を本格的につけるための準備として必要な物で、終着駅ではありません。因みに英検一級やTOEFLやTOEICの高得点が有っても、映画の英語なんかは全く分かりませんし、もちろんぼくが上で述べているレベルのcommunicationは出来ません。ところで、TOEFLもTOEICも満点で英語検定は1級、そのうえアメリカ生活20年のぼくは映画の英語が分かりません。よく分かると豪語している日本人は帰国子女か嘘つきか生き神様です。)
まあ、そういう事ですから、有志を募ります。来て欲しい人は
l 努力の鬼
l 粘り強い人
l 失敗は成功の素を信じる人
l バタンと前に倒れて顔中血塗れになっても(比喩的表現)すぐに立ち上がって歩き始める人
l アルバイトやサークルより自己研鑽優先の人
とにかくちゃんと勉強・練習する人で、根性のある人です。ぼくは、『行き詰る、負ける、つまづく、叩かれる、運も見放す、それがどうした!』という歌を信条の一部としています。そんな感じです。
ところで、ぼくには京大生(別に東大・阪大でも早稲田・慶応でも同志社・立命館でもどこでも良いのですが、一応受験勉強はちゃんとやった人と言う意味です)のproficiency profileが徐々に分かると言うmeritが有るので、一方的に皆さんがぼくに寄生する訳では有りません。まあ、特に恩に着る必要は無いと言う事ですね。
最後にもう一言。ぼくの感性や信条は普通の人と大きく違います。元海軍大将か誰かが言ったという『信義とは、ある物をあると言い、無い物を無いと言い、すると言った事は必ず行い、しないと約束した事は断じてしない事である』という言葉や、自分で考えた『前向きに、清く正しく、たくましく、常に厳しく、時に優しく』が好きですから、正直者で誠実ですし、もちろんやる事は全部完全に合法ですが、はっきり言って変わっていると自分でも思います。赤ん坊の頃から一風変わっていたそうですが、アメリカ生活なども経てそれに一層磨きが掛かったようです。他人が何をしようと自分に危害が加わらない限りぼくは「あほやな」と感じるだけで一向に構いませんが、世の中にはそうではない人も居ます。「平均的ではない=悪」と考える人は、ぼくの様な人間の存在自体を嫌で嫌でたまらないと感じると思うので、最初から来ないで下さい。実は他人は放っておく主義のぼくは、そういう人がなぜ態々ぼくの人生に介入したがるのか全く分かりません。証明も測定も出来ない事由については意見の問題ですから各人の自由とぼくは思っています。いずれにせよ、英語の運用能力を付けるのが目的のグループなので、そのコアさえ有れば後はどうでも良い(法律の範囲内で個人の自由)と言うのがぼくの認識です。そう思わない人は最初から来ないで下さい。宜しく御願いします。(もちろんこれはグループとしてたとえ合法でもなにかいかがわしい事もするとか、そういう意味では全く無いので深読みしないで下さい。するのは英語の勉強だけです。ぼくはアルコールアレルギーで酒すら飲めません。タバコはすいません。薬物はやりません。自己研鑽が一番の趣味です。あとは昆虫飼育とか魚獲りとか野球とかも有りますが、それはまた別次元の話。 笑)
今日はこれだけ!
国際交流センター 青谷正妥(あおたにまさやす) ♂